越後姫とは
「越後姫(えちごひめ)」とは、新潟県発祥のブランドいちごを指します。新潟県内全域で栽培されていますが、主に、新発田(しばた)市や新潟市、五泉(ごせん)市などで栽培されています。
甘味が強く上品な後味の”ベルルージュ”と甘酸っぱく濃厚な味わいの”女峰(にょほう)”を掛け合わせて誕生した「5/6ー996」とジューシーでみずみずしく香りが豊かな「とよのか」を掛け合わせて誕生しました。
大粒で甘味が強く濃厚で、芳醇な香りが特徴的です。果肉は柔らかくジューシーです。その柔らかさゆえに、輸送が難しく、県外にはあまり出回っていないという特徴も持ち合わせています。
旬の時期に新潟県に来られた際には、是非食べたり購入したりしてみてください。デリケートないちごですので、お持ち帰りの際には十分にお気をつけください。
旬はいつ?
一般的ないちごは、1月~3月頃が旬と言われていますが、「越後姫」には冬頃に収穫される「冬の越後姫」と春頃に収穫される「春の越後姫」と呼ばれるいちごが存在します。「冬の越後姫」は2月上旬頃に、「春の越後姫」は4月中旬頃に旬を迎えます。収穫時期が違うため、味がやや異なります。
「冬の越後姫」は、日照時間の少なさや気温の低さなどの、新潟県の気候を生かしてゆっくりと育ちます。雪国の寒さに耐え、糖分を蓄えるため、酸味が少なく、甘味が強いいちごが育ちます。
「春の越後姫」は、冬の越後姫よりも日光を多く浴びて育つため、成長スピードが早く、甘みと酸味のバランスが絶妙なのが特徴的です。一般的ないちごは、春に酸味が強くなりやすいですが、「春の越後姫」は、冬に蓄えた糖分のおかげで、甘味と酸味のバランスが絶妙になります。
一般的ないちごと「越後姫」との糖度を比べてみても、ワンランク上の甘さであることが分かります。
品種/項目 | 旬 | 大きさ | 味 | 糖度 |
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一般的な いちご | 1月~3月頃 | 普通 | 甘酸っぱい | 10度前後 |
冬の越後姫 | 2月上旬 | 大粒 | 甘味>酸味 甘味が強め | 12度~15度 |
春の越後姫 | 4月上旬 | 大粒 | 甘味=酸味 バランスが絶妙 | 12度~15度 |
美味しいのはどれ?
いちご狩りやスーパーで目にした際に、どれが美味しいのだろう?と思ったことはありませんか?以下の3点を押さえて、より美味しいいちごを選んでみてください。
- 形が整い、綺麗な円錐型をしている
- 果皮が鮮やかな紅色で、ヘタの付け根まで色付いている
- ヘタが濃い緑色で、ピンとしている
いちごは実が熟すにつれて、鮮やかな紅色になります。先端部分が最も糖度が高く甘いため、ヘタの付け根まで色付いているいちごが、完熟していてより甘いと言えます。是非参考にしてみてください。
越後姫の効能とは
「越後姫」には、ビタミンCや葉酸、食物繊維などの栄養素が含まれています。
ビタミンCは、抗酸化作用*¹があり、がんや動脈硬化などの生活習慣病や、老化の予防に期待できます。また、免疫細胞の働きを助けることによる免疫力向上や、メラニン生成を抑制することによる、肌のシミやそばかす、日焼けなどの肌トラブル緩和にも期待できます。
葉酸は、ビタミンB群に分類され、赤血球の生成を助ける役割があります。通常時にも必要な栄養素ですが、貧血予防や胎児の正常な発育に効果的なため、特に妊娠中に摂取すべき栄養素と言われています。
食物繊維は、整腸作用による便秘の解消や、食べ過ぎ防止、コレステロールの吸収抑制に期待できるほか、血糖値上昇の抑制にも期待できます。
※抗酸化作用*¹・・・がんや動脈硬化などの生活習慣病や老化の原因となる活性酸素による、酸化反応(細胞が不安定になり、変形や破壊を引き起こす状態)を抑制する働き。
終わりに
いちごを食べ過ぎると、胃腸の不調や血糖値の上昇などの健康問題や、アレルギー反応を起こす可能性がありますので、食べる量には十分にお気をつけください。
香りも味も濃厚で食べ応えのある「越後姫」。より美味しい越後姫を見極めて、堪能してみてください。

※アイキャッチ画像はイメージです。(画像引用:photoAC)