おけさ柿とは
「おけさ柿(おけさがき)」とは、新潟県で生産される柿のブランド名を指します。平核無(ひらたねなし)と刀根早生(とねわせ)と呼ばれる2つの品種の総称を表しています。
佐渡市を中心に、新潟市や、阿賀野市、柏崎市などでも栽培されています。種がなく、糖度にばらつきがないのが特徴的な渋柿です。渋柿ですので、渋を抜いた状態で店頭に並んでいることがほとんどです。
項目/品種 | 平核無 | 刀根早生 |
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産地 | 新潟県 | 奈良県 |
形 | 平たく四角い | 平たく四角い |
果皮 | なめらかで ツヤツヤ | 鮮やかで ツヤツヤ |
果肉 | 柔らかく 果汁豊富 | 程よい硬さで 果汁豊富 |
味 | ジューシーで 甘くまろやか | ジューシーで 甘くまろやか |
糖度(渋抜き後) | 14度~ 16度 | 約14度 |
旬 | 10月~ 11月 | 9月下旬~ 10月中旬 |
平核無と刀根早生とに、形や味に違いはほとんどありませんが、刀根早生は平核無に比べてやや色が濃く、早く収穫できるのが特徴的です。
おすすめの保存方法
柔らかめが好きな方や、追熟させたい方には、”常温保存”がおすすめです。直射日光避け、風通しの良い場所で保存することで、柔らかくなり、食べやすくなりますが、傷みやすくもなるので、お気をつけください。
硬めが好きな方や、鮮度を保ちたい方には、”冷蔵保存”がおすすめです。追熟を抑制するには、低温で乾燥しない場所での保存が適しています。ポリ袋など密封できる袋に入れ、冷蔵庫で保存してください。特に、野菜室での保存は、他の野菜の成熟をも促してしまうため、必ず密封してから保存してください。
どんな栄養素が含まれている?
”柿は医者いらず”や”柿が赤くなると医者が青くなる”といった言葉を聞いたことがありますか?これらは、過ごしやすい季節になったことや、柿の栄養価が高いことを表しています。
柿が旬を迎える時期は、”実りの秋”と呼ばれる時期です。食べ物が豊富で、夏の暑さが和らぎ涼しくなることから、過ごしやすく病人が減るという意味があります。
また、栄養価の高い柿を食べることで病人が減り、医者の商売が成立しないという意味があります。
そんなおけさ柿には、ビタミンAやビタミンC、タンニン(シブオール)などの栄養素が含まれています。
ビタミンAは、真皮の働きを活性化するため、皮膚や粘膜の健康維持に期待できます。また、視細胞の機能を助けるため、夜盲症やドライアイ、角膜ダメージの修復など眼の健康維持にも期待できます。
ビタミンCは、抗酸化作用*¹があり、がんや動脈硬化などの生活習慣病や、老化の予防に期待できます。また、免疫細胞の働きを助けることによる免疫力向上や、メラニン生成を抑制することによる、肌のシミやそばかす、日焼けなどの肌トラブル緩和にも期待できます。
タンニン(シブオール)は、ポリフェノールの一種で、ビタミンC同様に抗酸化作用*¹があるため、がんや動脈硬化などの生活習慣病や、老化の予防に期待できます。また、抗炎症作用*²や抗菌作用*³もあるため、痛みの軽減や食中毒の発生防止にも期待できます。さらに、アルコールの吸収抑制や分解速度を高めることに期待できるため、二日酔いの予防にもなります。
※抗酸化作用*¹・・・がんや動脈硬化などの生活習慣病や老化の原因となる活性酸素による、酸化反応(細胞が不安定になり、変形や破壊を引き起こす状態)を抑制する働き。
抗炎症作用*²・・・炎症を抑制する働き。
抗菌作用*³・・・菌の増殖を抑制する働き。
食べ過ぎに注意
柿は、体温を低下させる果物に分類されるため、食べ過ぎると、体が冷え過ぎて体調不良につながってしまう可能性があります。
また、タンニン(シブオール)が胃酸と反応し、胃の内部に「柿胃石(かきいせき)」という塊が生じる可能性があります。柿胃石ができると、激しい腹痛や吐き気、食欲不振などを引き起こす可能性があります。柿胃石が大きくなり過ぎると、最悪の場合、腸閉塞(イレウス)*¹になり、手術が必要な場合もありますので、十分にお気をつけください。
※腸閉塞(イレウス)*¹・・・何らかの理由で、腸管が狭くなったり、塞がったりすることで、腸内に便やガスなどが溜まっている(腸から肛門へ通過できていない)状態。
終わりに
眼や肌の健康維持や、病気や老化予防に期待できる”おけさ柿”。追熟度合いによって、食感が変わってきます。食べ過ぎに注意して、お好みの硬さで美味しく召し上がってください。

※アイキャッチ画像はイメージです。(画像引用:photoAC)