【出雲崎手作り紙風船】大正時代から続く工芸品

【出雲崎手作り紙風船】大正時代から続く工芸品

2025年3月3日

紙風船とは

 1891(明治24)年頃に流行した、息を吹き込んで膨らませる紙でできた風船のことを指します。一般的には、赤や黄色、青、緑、白などのカラフルな色をした丸形の風船です。空中に飛ばし、下に落ちないように、軽く叩いて遊びます。

 息を吹き込む部分に封をしないため、何度も叩くと空気が抜けますが、再度空気を吹き込めば、すぐに元通りになります。割れない限りは何度も繰り返し使うことができます。

 パリパリとした紙でできているため、叩くとガサガサと音がします。光が透き通るほど薄いですが、簡単には割れません。しかし、強く叩くと割れてしまうことがありますので、お気をつけください。

 軽く息を吹き込むだけで膨らみ、軽い力で遊ぶことができることから、子どもから高齢者まで年齢を問わず遊ぶことができます。また、ガサガサと音がすることから、赤ちゃんが目で追うようにもなります。

出雲崎手作り紙風船とは

 新潟県の指定伝統工芸品に登録されている紙風船のことを指します。新潟県出雲崎町(いずもざきまち)の製造所で作られており、国内唯一の手作りで、素材も全て日本製です。

 元々漁業が盛んであった出雲崎町ですが、冬には悪天候により、漁に出られない日が続くため、冬の産業として1919(大正8)年頃から、紙風船作りが始まりました。元々都会で流行していましたが、手作りの紙風船は、現在では出雲崎町の製造所のみで作られています。

 シンプルな丸形のみに限らず、ヒレのついたふぐや足のついたたこ、くらげ、いちごなどの形もあります。また、カラフルな色だけではなく、桜や紅葉、花火などのデザインもあり、大きさやデザインの種類が豊富に取り揃えられています。

どういう時に使う?

 遊び道具としてはもちろんのこと、誕生日やイベント時のデコレーションアイテムとしても使うことができます。

 さらに、好きなデザインの紙風船を、いくつかつなげて吊るせば、インテリアとしても使うことができます。最初からつながっている連続紙風船もあるので、是非チェックしてみてください。

 昔からあるハッキリとした色(原色)の紙風船は、採り入れるだけで一気にレトロ感が生まれるため、写真により深みや奥行きが出ます。そのため、七五三や結婚式など、和装との相性が良く、撮影アイテムにもぴったりです。

 また、ハロウィンやクリスマスなどのイベント用の紙風船も販売されています。是非チェックしてみてください。

磯野紙風船製造所(外部サイト)

どこで買える?

 製造所への電話やFAXでの注文のほか、出雲崎町内の道の駅やコンビニ、小売店などでも販売されています。さらに、ネット販売も行われていますので、気軽に購入することができます。

 また、製造所では、ワークショップも開催されています。予約は必須ですが、色紙を貼ったり、ペンでお絵かきをしたりして、自分だけのオリジナルの紙風船を作ることができます。

終わりに

 日本発祥の紙風船は、和を感じる昔ながらのカラフルなおもちゃです。近年では、和食や和菓子、和柄の着物など、日本の和文化は海外からの人気が高まってきています。

 特に、カラフルな色を好むアメリカや中国の方へのお土産としておすすめです。また、桜や紅葉などのデザインが描かれた紙風船は、日本の四季を感じることができるため、旅の思い出としてもぴったりです。

 大正時代から続く「出雲崎手作り紙風船」。時代と共に種類が豊富になり、形も豊富になってきていますが、手作りはずっと変わらぬままです。

 出雲崎町の繊細で美しい紙風船。お土産撮影アイテムにいかがですか?

紙風船とホオズキ

※アイキャッチ画像はイメージです。(画像引用:photoAC)