【錦鯉】世界から注目される新たなペット

【錦鯉】世界から注目される新たなペット

2025年1月28日

錦鯉の誕生

 錦鯉は、江戸時代の中期に新潟県中越地域(長岡市山古志村や小千谷市)で食用として飼育されていた”真鯉(まごい)”が突然変異して誕生したとされています。黒っぽい色をした真鯉が色を変え、珍しく美しい鯉になったことで、食用から観賞用へと変化し、「より珍しく、より美しい鯉」の開発(養鯉(ようり))が進められてきました。

 発祥の地とされている長岡市山古志村(やまこしむら)や小千谷市(おぢやし)では、誕生から約250年以上経った今でも養鯉が盛んです。錦鯉生産量は全国トップで、海外への輸出も積極的に行われています。オークションでは、数千万円から億単位の価格で落札されることもあります。

海外では

 近年海外では、円安の影響を受け、経済状況が変化したことにより、庭に池を持つ方が増加してきています。また、富の象徴とされる錦鯉の愛好家が増加したことで、錦鯉の海外人気はさらに高まってきています。特に、アメリカや中国、インドネシア、香港、ミャンマーでの人気が高く、錦鯉見たさに日本まで観光に来る方もいらっしゃいます。小千谷市には、1年を通して観賞できる施設があるため、観光スポットとしても人気があります。

種類

 錦鯉には、「紅白」「大正三色」「昭和三色」の3種類の代表的な品種が存在し、「御三家」と呼ばれています。肌の色や模様の色が異なり、それぞれの組み合わせで品種が異なります。

品種肌の色模様の色
紅白
大正三色紅と黒
昭和三色紅と白

 「御三家」と呼ばれている錦鯉の他にも、100種類以上の錦鯉が存在し、それぞれの品種に特徴があります。さらに、同じ品種の錦鯉でも、大きさが違っていたり、色の面積や配置が違っていたりと、1匹1匹それぞれにも特徴があり、見ていて飽きないことでしょう。養鯉場では、多種多様な品種を掛け合わせ、今までにない色彩の錦鯉の開発に取り組み続け、新たな品種の錦鯉を生み出し続けています。

寿命

 平均で25年から35年生きるとされています。飼育環境を整えて、しっかりとお世話をしていれば、100年近く生き延びる鯉もいます。人ともペットとも、いくつになっても別れは悲しいものですが、ペットの中では長生きする方なのではないでしょうか。直接触って愛でることはできなくても、美しい姿で伸び伸びと泳ぐ姿を見せてくれます。その優美な姿から、「泳ぐ宝石」や「水中宝石」とも呼ばれ、人々の日常に癒しを、心に余裕を与えてくれます。

品評会の開催

 全国では毎年、全日本錦鯉振興会が主催する国際錦鯉品評会が行われています。

 品評会では一般的に「体型」「質」「仕上がり」「模様」の4項目が評価のポイントになります。

引用元:全日本錦鯉振興会

 以上のような評価ポイントに則って、厳正に審査され、錦鯉の美しさや飼育技術の高さを競います。また県内では、新潟県錦鯉品評会や長岡市錦鯉品評会、国際錦鯉幼魚品評会などが行われています。品評会は、一般の方も観賞することができます。詳細は、各種サイトにてご確認ください。

「より珍しく、より美しく」

 今後も円安が続くとされる日本では、治安の良さや日本食への人気から、インバウンド*需要が高まっています。海外からの観光客がさらに増加することで、実際にその地に訪れ、日本の伝統や文化に触れる機会や知る機会が増えると予想されます。それに伴い、”錦鯉”の人気は今後も高まっていくと考えられます。日を追うごとに、新たな品種の開発も進められ、「より珍しく、より美しい」錦鯉が誕生していくことでしょう。養鯉業界への新たなる品種の誕生に期待が高まります。

※インバウンド*・・・海外から日本に旅行することや、外国人日本旅行客のこと。