猫ちぐらって何?
猫ちぐらとは、稲わらで作られた”猫用の寝床”のことを指します。ちぐらは新潟の方言で、ゆりかごを意味しています。一部の地域では、”猫つぐら”とも言われています。もともとは、農作業をする際に、赤ちゃんを入れておく籠(ゆりかご)であった”ちぐら(つぐら)”を手掛かりに猫用の寝床、”猫ちぐら(猫つぐら)”が誕生しました。
猫ちぐらの特徴
猫ちぐらは、保温性が高い稲わらを使用し、かまくら型に編まれています。猫は、寒さに弱いため温かい場所を好む傾向があります。また、身を隠せるような狭い場所は、安全な場所であると考え、本能的に安心し好む傾向があります。猫ちぐらはまさに、猫が大好きな場所(寝床)だと言えます。
さらに、稲わらは冬の寒さだけに強いのではなく、通気性も良いため、夏の暑さにも強いのが特徴的です。冬のみならず、通年で使えるため重宝します。また、しっかりと固く編まれた猫ちぐらは、すぐに壊れるようなものではないため、長年愛用できるという特徴もあります。しかし、固く編まれているからといって、何度も爪とぎをしてしまったり、乱暴に扱ってしまったりすると、わらがボロボロになり、壊れやすくなってしまうのでご注意ください。
近年注目されているもの
稲わらを使用し製作されているのは、猫ちぐらだけではありません。現在では、猫用だけではなく、赤ちゃん用のちぐらや犬用のちぐら、おひつ入れ、鍋敷きなども稲わらで製作され、販売されています。かまくら型やおわん型、1匹用や2匹用など、用途に合わせて形や大きさが異なっています。
近年特に注目されているのが、”おひつ入れ”です。「いつでも温かくて炊き立てのようなご飯が食べたい。」「朝炊いたご飯が夜になっても温かかったらいいのに。」といった悩みを手助けしてくれるおひつ。そのおひつを保温力の高い稲わらで外側から保護することで、さらに温かさが保たれます。温かさが保たれ、ご飯が腐らないおひつ入れは、料亭やお寿司屋で人気が高まってきています。
どこで作られているの?
現在、”猫ちぐら”は主に新潟県(関川村、津南町、長岡市、小千谷市、出雲崎町)や長野県(栄町)で製作されており、伝統工芸品に指定されています。
すべて職人さんの手によって作られているため、作り手によって個体差が生じてきます。またサイズにもよりますが、1つが完成するまでに1週間から10日ほどの時間を要します。
ここまで読んで、「どうやって作っているの?」「実際に作っているところを見ることはできないの?」という疑問を持った方はいらっしゃいますか?
そんな方に朗報です。猫ちぐらの名産地である関川村では、せきかわ観光情報センターにゃ~むにて、製作実演が行われています(毎週土曜を除く)。間近で職人さんたちが製作しているところを見学することができますので、先ほどのような疑問が解決されるのではないでしょうか。館内には、看板猫のさくらちゃんも常駐しているようです。お近くを訪れた際には、是非立ち寄ってみてください。
購入場所は?
直売所や各店舗での委託販売の他、オンラインショップでも購入することができます。産地により形や大きさ、値段が異なりますので、詳細は各種サイトにてご確認ください。
関川村では、メディアに取り上げられると瞬く間に注文が殺到し、一時期は3年以上待ちといった期間もありました。現在では、比較的注文が落ち着いているため、通常通りに商品が手元に届きます。
関川村猫ちぐらの会(外部リンク)
終わりに
古くから現在に至るまで、職人さんの手によって編まれ続けている”猫ちぐら”。稲わらを使用して製作された、米処新潟ならではの製品は、愛猫家へおすすめの”猫ちぐら”をはじめとし、赤ちゃん用のちぐらや犬用のちぐら、おひつ入れや鍋敷きなど種類の幅を広げ、プレゼント用の他、自家用としてもご利用いただけます。
「愛猫や愛犬に、安心する場所を。」「日常にワンランク上の温かさを。」プレゼントしてみてはいかがでしょうか?