【八十里越街道】期待される新たな道の開通

【八十里越街道】期待される新たな道の開通

2024年12月6日

「八十里越街道」とは

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 「八十里越街道(はちじゅうりごえかいどう)」とは、新潟県三条市(さんじょうし)から福島県只見町(ただみまち)へとつながる峠道のことを指します。一里が十里に感じるほど険しい峠道であることから、この名がついたとも言われています。先人たちは、この険しい峠道を歩いて交流を行っていたそうです。現在は登山道で、一般車両は通ることができません。現在峠道を工事し、新たな道が開通しようとしています。

 新潟県三条市から福島県只見町へは現在、国道252号を利用すると117分(冬は通行不可)、北陸自動車道,磐越自動車道,国道252号を利用すると157分かかるとされています。現在工事中の「八十里越街道」が開通することで、78分短縮するとされており、通年のアクセスが可能になります。

 新潟県と福島県で行われている工事ですが、福島県側でまだ進んでいない部分があるため、現時点では令和8(2026)年秋から令和9(2027)年夏の暫定的な開通予定となっています。

 開通後、交通の便が良くなることで、観光面でメリットがあるといえます。通行不可問題や迂回問題が解消され、人や物の流れが良くなり、観光の活性化が期待されます。さらに、医療の面でもメリットがあるといえます。

○ 現在、福島県只見町には総合病院はなく、診療所等で対応できない高度医療や救急医療の搬送先は南会津町の県立南会津病院となっている。
○ 只見町には、産婦人科医院が無い状況であるが、県立南会津病院の産婦人科は現在休止中である。
○ 県立南会津病院で対応できない診療科目、救急疾患や高度医療は、救急救命センターのある会津中央病院、長岡赤十字病院への搬送が必要となるが、最短ルートの国道252号には2箇所の事前通行規制区間、また、冬期通行不能区間が存在するため、搬送は天候や季節に大きく左右されてしまう。
○ 当該路線の整備により、冬期におけるスムーズな交通が確保され、新潟県の病院でも高度医療を受けることができ、また、搬送が天候に左右されず、救命救急体制が向上する。

(引用元:資料-8 平成22年度第6回北陸地方整備局事業評価監視委員会 国道289号 八十里越 再評価資料 5)第三次救急医療機関へのアクセス性の向上)

 上記資料より、福島県只見町には総合病院がなく、高度医療や救急医療を受けるためには時間を要すことが分かります。交通の便が良くなることで、救命救急体制の向上に期待できるといえます。

 工事期間は1年に約6ヶ月間あります。雪の降らない時期にしか工事を進めることができません。しかし、工事現場周辺は豪雪地帯である為、道路にあるガードレールやミラーを一度取り外し、春になったらまた付け直さなければならないそうです。小屋も冬前に取り壊し、春になったらまたもう一度作り直すという作業があるため、工事期間は実質6か月もないそうです。

 また、工事をするにはまず、工事をするための道路(工事用道路)を作らなければなりません。工事用道路は、工事終了後にはほとんど使わなくなりますが、必要不可欠な作業となります。工事をするためだけの”幻の道路”ということになります。

 そんな”幻の道路”を通ることができるツアーがあります。10月下旬から土日に行われている、三条市主催の観光バスツアー「秘境八十里越体感バス」。道中に紅葉の絶景スポットがありますが、工事が終わったら通ることができなくなる道なので、今しか見られない貴重な風景です。事前予約制のこちらのバスツアーは、大変人気で先着順な為、申込開始後すぐに予約が埋まってしまうんだとか。競争率は定かではありませんが、激しい争奪戦になっている模様…。標高が高く、冬前ということもあり寒いので、防寒対策をしっかりと行ってください。

 新たな道の開通により、便利になることが期待される現代ですが、先人たちは整備されていない峠道を歩いて交流を行っていたと思うと、大変感激します。先人たちや道路工事関係者の方々への感謝の気持ちを胸に、道路を利用していきたいものです。

 新たな道の開通による、新潟県と福島県、双方のさらなる地域活性化に期待しています。

各種サイト

八十里越街道
南会津町観光ガイド
三条市公式観光サイト
只見町公式サイト
只見町インフォメーションセンター

おすすめスポット【新潟県三条市】

「いい湯らてい」

画像引用:いい湯らていInstagram

 「新潟県景勝100選」に選ばれている「八木ヶ鼻」を一望できる「いい湯(ゆ)らてい」。露天風呂やマグマ風呂、サウナ等をお楽しみいただけます。また、館内にはTV付リクライニングチェアーのあるリクライニングコーナーや仮眠室等があるため、ゆっくりとくつろぐことができます。館内詳細は、公式サイト施設のご案内館内案内図にてご確認ください。

所在地〒955-0128
新潟県三条市南五百川16-1
お問い合わせ先いい湯らてい(℡0256-41-3011)
駐車場(無料)あり
休館日毎月第3水曜(祝日の場合は翌日休館)
開館時間10時~21時(最終受付 20時15分)
入館料大人¥900
支払方法キャッシュレス決済可
滞在時間目安2時間
各種サイト公式サイト
Instagram

「北五百川の棚田」

 「日本の棚田百選」や「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~(ポスト棚田百選)」に選ばれている「北五百川(きたいもがわ)の棚田」。晴れた日に、坂の上から見られる景色は絶景です。

所在地〒955-0121
新潟県三条市北五百川
お問い合わせ先三条市営業戦略室(℡0256-34-5511) 
駐車場(無料)普通車10台(北五百川生活改善センター駐車場)  
見学可能期間通年
見学可能時間24時間
見学料無料
滞在時間目安30分 

※北五百川生活改善センター駐車場の地図を表示しています。

おすすめスポット【福島県只見町】

「季の郷 湯ら里」

画像引用:季の郷 湯ら里Instagram

 満天の星を眺めながら疲れを癒すことができる「季の郷 湯ら里(ときのさと ゆらり)」。露天風呂や大浴場、サウナ等をお楽しみいただけます。お風呂上がりには、電気マッサージ機やTVのある休憩室で、ゆっくりと休むことができます。館内詳細は、公式サイト館内・施設にてご確認ください。

所在地〒968-0442
福島県南会津郡只見町大字長浜字上平50
お問い合わせ先季の郷 湯ら里(℡0241-84-2888)
駐車場(無料)あり
休館日メンテナンス年2回(7月,12月)
※詳細は、公式サイトにてご確認ください。
受付時間日帰り
11時~20時(入浴時間 ~21時)
入館料大人¥700
滞在時間目安2時間
各種サイト公式サイト
Instagram

「田子倉ダム」

画像引用:福島県南会津農林事務所Instagram

 紅葉の絶景スポットである「田子倉ダム」。冬季期間以外は「田子倉遊覧船」に乗って、只見町の自然を満喫する船旅をお楽しみいただけます。

所在地〒968-0423
福島県南会津郡只見町大字田子倉
お問い合わせ先只見町インフォメーションセンター(℡0241-82-5240)
駐車場(無料)あり
定休日冬季期間
営業時間24時間
入場料無料
滞在時間目安30分
各種サイト只見町インフォメーションセンター
福島県南会津農林事務所Instagram